2025年1月22日、国家知識産権局は正式に「2024年中国専利調査報告」を発表した。本報告は「新質生産力の発展を加速し、質の高い発展を着実に推進する」をテーマに掲げ、中国企業の特許創造、活用、保護の状況を総合的に分析している。報告によると、2024年には国内企業のイノベーション活力が大幅に向上し、特許創造に関連する研究開発投資が持続的に拡大した。国内企業の発明特許のうち、研究開発を通じて取得された割合は86.6%に達し、研究開発費の支出も顕著に増加。さらに、産学連携における企業の主導的役割が一層強化された。
報告では、中国の特許状況について多角的な分析が行われている。特許の産業化について、国内企業の発明特許の産業化率は53.3%に達し、5年連続で上昇。また、特許の産業化による収益も明らかに向上している。特に戦略的新興産業および未来産業分野では、関連企業の特許産業化による収益が、それぞれ企業平均を8.0%および30.3%上回った。特許保護環境について、企業の権利保護手段が多様化し、高額賠償案件の割合は安定しながら上昇。特許侵害紛争の処理効率も著しく向上した。国際市場での競争について、海外知的財産権紛争に関与する国内企業の割合が増加。特にデジタル経済を代表するコンピュータ、通信、電子機器製造分野では、64.4%以上の企業が海外特許戦略の影響や課題を感じており、国際経済・貿易競争への積極的な対応が求められている。グリーン技術革新とデジタル経済について、エネルギーおよび高エネルギー消費業界では、グリーン技術革新の割合が比較的高いものの、研究開発投資が大きく、産業化率が低いため、依然として一定の課題が残る。一方、デジタル経済分野では、企業の特許創出・保護能力が比較的強く、特に国際知的財産権問題への対応が重要な課題となっている。
「中国専利調査報告」の作成は2008年に始まり、2024年時点で調査範囲は全国20以上の主要省（区・市）に拡大。調査対象となる特許権者は1万人以上に上る。本報告は、中国の特許発展の現状と課題を包括的に示し、知的財産権強国の構築に向けた重要な参考資料となっている。
コメント：
現在、中国企業のイノベーション活動は構造的な高度化が進んでおり、研究開発投資は新技術の応用開発、基幹技術のブレークスルー、基礎的オリジナル研究など、高価値分野に集中しつつある。しかし、イノベーションレベルの向上とともに、特許情報の戦略的価値が十分に活用されていない点が課題として浮かび上がる。報告によれば、過半数の企業が研究開発の過程で特許情報を十分に活用できていないと考えている。
ハイレベルのイノベーション活動の成功には、特許情報の効果的な検索と高度な活用が不可欠である。企業の特許発掘・出願、知的財産戦略の策定、特許の運営・管理などの知的財産権市場化サービスに対する需要が急速に増加している。このような状況のなか、専門的な知的財産権サービス機構は新たな変化に適応し、モデルの革新を図りながら、質の高いサービスを提供することが求められる。
当社では知的財産権の総合サービスモデルの革新を進めており、企業の業界特性、発展段階、地域ごとのニーズの違いを見極めながら、個別最適化されたサービスプランを提供することを目指している。サービスの広さにおいて、我々は従来の国内外特許出願代理サービスを技術競争優位性の構築を目標とする企業の知的財産権配置立案へと拡張。さらに、特許侵害紛争対応に加え、製品開発前の特許競争情報分析、製品発売前の特許侵害リスク調査、ターゲット特許の無効化戦略などを含む、知的財産権リスク管理・コントロールの全プロセスをサポートする。サービスの高度化について、知的財産権管理と企業経営戦略の融合を促進し、特許の等級別運用体系の構築、コア特許の価値評価、特許の市場化運営といった付加価値サービスを展開。これにより、特許資産の価値を最大限に引き出す体制を整えている。
（上海専利IPコンサルティング事業部 牛超超より原稿提供）
