最高裁知財法廷が初の行為保全を支持する復議裁定を下す
近日、最高人民法院知識産権法廷は、集積回路の配置設計専有権侵害に関する行為保全の復議事件事件を審結させた。この事件では、申請者の主張が事実および法的根拠を備えているか、不保全による補償困難な損害の有無、保全措置が利益の不均衡や社会公共利益への影響を及ぼすかどうかといった要素を総合的に考慮した。さらに、状況が緊急で、権利者に取引機会の喪失や価格下落といった損害を与える可能性があると判断され、本件行為保全申請は許可要件を満たしていると認定された。この復議裁定は、最高裁知財法廷が初めて被告側の侵害行為の停止を支持した保全復議事例として注目されている。
原告の「澤某公司」(以下、澤某社)は、「芯某公司」(以下、芯某社)および「馳某公司」(以下、馳某社)が自社の集積回路配置設計専有権を侵害しているとして、江蘇省無錫市中級人民法院(以下、無錫中院)に提訴した。立件後、澤某社は無錫中院に対し、芯某社および馳某社に侵害行為の停止を命じるよう申請した。無錫中院は、馳某社および芯某社に対し、裁定の発効日から本件判決の効力が生じる日までの間、それぞれ被疑侵害チップの生産および販売を停止するよう命じた。これに対し、馳某社および芯某社はこの決定を不服として、最高裁に復議を申し立てた。
初期審査によると、芯某社が馳某社に委託して製造した50枚のシリコンウェハ(約50万個のチップ相当)は、既に製造企業からパッケージング企業へ交付されている。
最高裁は以下の意見を示した:まずは、澤某社が主張する配置設計は国家知識産権局に登録されており、澤某社が訴訟時に提出した関連証拠によると、被告の侵害が疑われる製品の配置設計は澤某社の設計と非常に類似している。それから、問題のチップが市場に流通すれば、澤某社に取引機会の喪失や価格の下落といった経済的損害をもたらす可能性がある。行為保全を行えば、直ちに被疑侵害チップの流通を阻止し、侵害行為およびその結果の拡大を防ぐことができる。次に、澤某社の行為保全申請には事実的および法的な根拠があり、適切な保証金も提供されている。そのため、行為保全を取らない場合に澤某社が受ける損害に比べて、芯某社および馳某社が受ける損害は相対的に小さいとされた。最後に、被告のチップは市場に十分な代替品が存在し、また、公共の健康、環境保護、その他の重大な社会的利益には関わらないため、行為保全措置の採用が社会公共利益を損なうものではないと認定された。以上を総合的に考慮し、最高裁は馳某社および芯某社の復議請求を棄却した。
本件復議裁定では、損害賠償制度と行為保全制度の権利人の保護における違いが明確に解釈され、行為保全制度の「先行的防御機能」が強調された。損害賠償制度は、侵害を受ける前の状態にできるだけ近づけることを目的としているが、市場シェアの喪失や価格の下落といった損害は、金銭的補償だけでは完全に修復できない場合が多いとされている。また、賠償の範囲や証拠の提示、執行能力といった要因により、完全な賠償が困難な場合もある。一方で、行為保全は先行的防御措置として、権利者に対する保護を事後的な救済よりも優れた形で提供する。
しかし、行為保全は民事的な仮救済手段であるため、被申請者や利害関係者、さらには公共利益に一定の影響を与える可能性もある。そのため、人民法院は行為保全の審査基準を慎重に扱う必要がある。基準が緩すぎれば権利の濫用を招き、厳しすぎれば権利者の迅速かつ効果的な保護を妨げる恐れがある。本件は、最高裁知財法廷が行為保全の支持を示した初の復議裁定事例として、今後の審査基準における研究材料となる重要な判例である。
(最高裁知財法廷のプレスリリースより引用編集)
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