最高人民法院、職権により再審理を開始し、悪意の通謀による侵害事件を厳罰
最高人民法院は、関連する2件の特許権帰属紛争事件を審理する過程で、当事者が別件において虚偽訴訟を実施した疑いがあることを発見したため、職権により審判監督手続を開始し、すでに法的効力を生じていた著作権侵害事件を直接、再審理(提審)に付した。再審の結果、当該著作権事件は、双方当事者が悪意により通謀し、侵害事実を捏造して提起した虚偽の著作権訴訟であり、かつ当該著作権事件の確定判決を利用して特許権帰属訴訟に介入し、他人の特許権を不当に占有しようと企図したもので、司法秩序を重大に妨害したと認定された。最高人民法院は、著作権侵害事件の第一審判決を取消し、2名の自然人当事者それぞれに対し上限である10万元の過料(罰金)を科すとともに、犯罪の疑いに関する手掛かりを公安機関へ移送した。現時点で両名は過料を納付しており、公安機関はすでに立件して捜査を開始している。
本件では、東莞のある会社が、元従業員である厳某が退職後1年以内に出願した5件の特許は職務発明に該当すると主張した。当該訴訟が提起された後、何某耀は別途、著作権侵害訴訟を提起し、係争技術図面の著作権者は自己であると主張して、これに基づき法的効力を生じた第一審判決を取得し、続いて第三者として特許権帰属訴訟に参加し、特許権は自己に帰属すると主張した。
最高人民法院は再審において、当該著作権侵害事件は虚偽訴訟を構成すると認定し、その理由は以下のとおりである。
第一に、何某耀と厳某には、悪意の通謀を成立させる基礎条件が存在した。何某耀と厳某の関係は緊密で、明確な利害関係が存在した。すなわち、両者は以前から面識があり、共同で会社を設立し、持分(株式)の譲渡も行われていた。なお著作権紛争が存在する状況下で、厳某およびその妻は保有する会社持分を何某耀に譲渡し、その後も何某耀の一人会社(独資会社)に引き続き勤務しており、行動は明らかに不自然であって、悪意の通謀に関する現実的基盤を備えていた。
第二に、何某耀と厳某は事実を捏造し、悪意の通謀による訴訟行為を実施した。何某耀は係争技術図面の著作権者であることを立証できないにもかかわらず、権利者としての地位および侵害事実を捏造して訴えを提起し、その提訴時期は特許権帰属訴訟の直後であり、かつ意図的に別の裁判所を選んで提訴した。厳某は訴訟において実質的な抗弁を行わず訴訟進行に協力し、さらに何某耀と共同して関連事件の事実を秘匿した。第一審判決が効力を生じた後も、賠償義務は長期間履行されず、双方は引き続き共に勤務しており、その行動は明らかに異常で、両者が相互に呼応して悪意の訴訟を行った事実を示している。
第三に、著作権侵害事件の訴訟目的は特許権の不当取得にあった。何某耀と厳某が著作権侵害訴訟を提起した真の目的は、特許権帰属事件の審理結果に影響を及ぼすことにあった。厳某は関連する研究開発能力を有しており、係争特許はその旧勤務先に帰属すべき職務発明である一方、何某耀は相応の技術研究開発能力を欠き、権利者と認定することは困難であった。厳某は特許が旧勤務先に帰属すべきことを知りながら、なお何某耀と通謀し、虚偽の確定判決を取得して特許権帰属の主張に対抗し、最終的に本来東莞の当該会社に帰属すべき特許権を不当に取得しようと意図した。
裁判所は、虚偽訴訟は通常、悪意の通謀、事実の捏造および訴訟提起という形態を取り、その目的は国家の利益、社会公共の利益または他人の適法な権益を侵害することにあると指摘した。これに対し、人民法院は法により過料および拘留を科すことができ、犯罪を構成する場合には法により刑事責任を追及する。本件では法に基づき重く処罰し、かつ公安機関へ移送することで、虚偽訴訟行為に対する有効な抑止効果を発揮し、人民法院が虚偽訴訟を厳しく取り締まり、司法権威と社会的信用を維持する姿勢を明確に示した。
コメント:
本件が最高人民法院知的財産法廷により「精品案例」として選定されたのは、事案が複雑で争点が特許権と著作権に交錯していたためだけではなく、確定裁判と虚偽訴訟という問題の処理において示された高度な司法判断と制度的価値志向にある。
事件処理において、最高人民法院は、すでに効力を生じていた著作権侵害判決に消極的に依拠することなく、関連する特許権帰属事件を審理する過程で虚偽訴訟の端緒を鋭敏に把握し、法に基づき職権で審判監督手続を開始して、確定裁判を直接再審理に付し、誤りを是正した。この対応は、既判力と形式的安定性のみを中心とする思考の惰性を打破し、最高審判機関が実体的公正と司法秩序を高度に重視していることを示すものである。
現下の司法実務においては、関連事件を審理する際に確定裁判の結論へ消極的に依存する傾向が、なお客観的に存在している。いったん先行事件の裁判が効力を生じると、後行事件はしばしばそれを既定事実として直接採用しがちであり、その成立過程が真実であったか、悪意の通謀や手続濫用が存在したかについては十分に審査しないことが多い。本件において当事者は、まさに虚偽訴訟によって形成された確定判決を利用して、真の権利者による特許権帰属の主張に対抗しようとした。最高人民法院は裁判の形式にとどまることなく、実質に踏み込む穿透的審査により虚偽裁判の正当性を根本から否定し、虚偽訴訟が「判決によって権利をロンダリングする」経路を効果的に遮断した。
同時に、最高人民法院は誤判を是正するにとどまらず、法に基づき原判決を取消し、当事者に上限過料を科し、犯罪の疑いに関する手掛かりを移送することで、審判監督・司法制裁・刑事追責の協働的な発動を形成し、確定裁判が決して虚偽訴訟の「避難港」ではないことを鮮明に示した。この処理手法は司法権威を維持するとともに、下級裁判所が同種問題に直面した際の明確で再現可能な判断指針を提供する。
まさにこの意味において本件は「精品案例」として選定され、その価値は個別事件の公正にとどまらず、司法実務への示範・牽引作用にある。すなわち、能動的な誤判是正により確定裁判へのパス依存を打破し、虚偽訴訟を実効的に抑止し、誠実訴訟の理念を弘揚することで、最高人民法院が複雑な知的財産紛争において裁判の安定性と実体的正義を統合的に調整する高度な司法能力を十分に示し、審判権威によって法の尊厳を擁護する制度的自信を体現した。
(上海専利 研究院 葛 臻翼より原稿提供)
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