中国の医薬品規制体系が「市場独占期間」および「データ保護期間」制度を初めて確立
2026年1月27日、改正後の「中華人民共和国薬品管理法実施条例」(以下「本条例」という。)が正式に公布され、2026年5月15日より施行されることとなり、中国の医薬品規制制度における再度の体系的整備となった。その中でも最も画期的な内容は、小児用医薬品および希少疾患治療薬(オーファンドラッグ)について市場独占の期間を初めて明確に設け、また革新的化学系医薬品についてデータ保護の期間を設けた点にある。これは、中国が「特許リンケージ」や「医薬品特許期間補償」等の制度構築に加え、医薬品のライフサイクル全体をカバーするイノベーション保護メカニズムをさらに確立し、医薬品イノベーションに対してより多層的な制度的保障を提供したことを示すものである。
市場独占
市場独占の核心は、同種の競争を一定期間排除することにより、医薬品イノベーションに安定した市場回収期間を付与する点にある。
改正後の本条例第21条は、次のとおり規定する。
「国は、小児用医薬品および希少疾患治療用医薬品の研究開発およびイノベーションを支援する。
小児用医薬品の新規品目、新たな剤形または新たな規格を採用した小児用医薬品、並びに小児適応を追加した医薬品について、要件を満たす場合には、2年を超えない市場独占期間を付与する。
要件を満たす希少疾患治療用医薬品について、医薬品上市許可保有者(MAH)が医薬品供給の確保を約束する場合には、7年を超えない市場独占期間を付与する。
医薬品上市許可保有者(MAH)が医薬品供給確保の約束を履行しない場合、市場独占期間は終了する。市場独占期間付与の具体的要件および方法は、国務院薬品監督管理部門が制定する。」
これにより、中国の医薬品規制体系は、小児用医薬品および希少疾患治療用医薬品を対象とする市場独占期間を初めて確立し、その内容は次のとおりである。
1)小児用医薬品:2年を超えない市場独占期間を取得し得るものであり、新規品目、新剤形/新規格、または小児適応の追加の場合に適用される。
2)希少疾患治療用医薬品(オーファンドラッグ):7年を超えない市場独占期間を取得し得る一方で、医薬品上市許可保有者(MAH)による供給確保のコミットメントが求められる。
この措置は国際的な一般実務に類似しており、例えば米国では小児用医薬品に対して6か月の市場独占期間を、希少疾患治療薬に対して7年の市場独占期間を付与しており、小児および希少疾患分野における医薬品イノベーションの保護を体現している。当該市場独占期間においては、企業に対してより明確な市場予見可能性が提供される。小児または希少疾患分野に注力する企業にとって、本制度は市場地位の強化および研究開発投資の回収のための重要な手段となる。
データ保護
データ保護は「TRIPS協定」第39条3項に由来し、医薬品上市許可申請人が提出した未開示試験データ等が不当な商業利用を受けないよう保護することを目的とする。保護期間中、他の申請人は、先発医薬品(オリジネーター)データを直接援用してジェネリック医薬品の上市許可申請を支持することはできず、自ら臨床試験を実施するか、またはデータ保有者の許諾を得なければならない。改正後の本条例第22条は、次のとおり規定する:
「国は、新規化学成分を含有する医薬品並びに要件を満たすその他の医薬品について、医薬品上市許可保有者(MAH)が自ら取得し、かつ未開示である試験データおよびその他のデータに対して保護を実施し、いかなる者も当該未開示の試験データおよびその他のデータを不当な商業利用に供してはならない。
前項に定めるデータ保護期間は、医薬品登録日から起算して6年を超えない。保護期間中、他の申請人が医薬品上市許可保有者(MAH)の同意なく前項所定のデータを使用して医薬品登録を申請する場合、許可しない;ただし、他の申請人が自ら取得したデータを提出する場合を除く。
次の各号に掲げる場合を除き、薬品監督管理部門は本条第1項に定めるデータを開示してはならない:
(一)公共の利益上必要がある場合;
(二)当該データが不当な商業利用を受けないことを確保するための措置が講じられている場合。」
これは、わが国が医薬品試験データ保護制度を正式に確立し、特許保護と相互補完関係を形成したことを示す。
もっとも、当該条項は現時点では革新的化学系医薬品にのみ明確に適用されるにとどまり、革新的生物製剤、改良型新薬、ならびに海外で既に上市されている医薬品のデータ保護については、なお具体的規定が置かれていない。2025年の「医薬品試験データ保護実施弁法(意見募集案)」は、革新薬6年、改良型新薬3年、最初の後発医薬品3年等の区分保護の考え方を提示していたものの、その実施の詳細は依然として国務院薬品監督管理部門によるさらなる明確化を待つ必要がある。
今回の改正は、「市場参入」と「データ保護」をカバーする二重のイノベーション・インセンティブ枠組みを初歩的に構築した。現時点では、市場独占期間の具体的な適用要件、申請・認定手続、独占期間中の競争排除範囲(とりわけ改良型新薬・新剤形の取扱い)、ならびに優先審査やブレークスルー治療等の既存の迅速化手続との接続メカニズムについては、いずれも国家薬品監督管理局(NMPA)が実施細則またはガイドラインにより明確化する必要がある。
総じてみれば、中国は、特許保護を基盤とし、データ保護を支えとし、市場独占をインセンティブとする多層的な医薬品イノベーション保護体系を形成しつつある。
(上海専利 化学医薬生物事業部 李 政璋、陳 揚揚より原稿提供)
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